“レコードガール”が今季ラストレースも新記録で締めくくった。女子200メートル(視覚障害T13)で、佐々木真菜(20=東邦銀行)が26秒28のアジア新記録をマークして優勝。23日の400メートルと2冠を達成した。

 「昨日の悔しさが今日につながりました。しっかり練習できていたので記録が出る予感がありました」。佐々木の表情が思わず崩れる。自己ベストを出せなかった400メートルの分も、この日は飛ばした。スタートから50メートルでトップスピードに達し、あとはリラックスしてそのまま走り切る。佐々木の持ち味が発揮されたレースだった。1つ外の6コースを走った東邦銀行の先輩・佐藤智美(27)も26秒59の好タイムで走り、いい目標になった。

 まさに「記録的な」シーズンだった。5月の大分パラで200、400メートルの日本記録を更新すると、日本パラ、関東パラ、7月のロンドン世界選手権と走るたびに自己ベスト。それがアジア新、日本新になった。2種目合わせて7度も新記録を打ち立ててきた。東邦銀行入りして2年目。今年から健常者の選手と同じメニューをこしたことも急成長につながった。

 世界選手権後も休むことなく練習を重ねてきた。「東京パラリンピックまで実質2年半しかありません。来年は200で25秒台をコンスタントに出したいです。400は世界記録と4秒ぐらい差があるので、少しでも詰めていかないと」。目標と掲げる言葉も力強かった。