日本パラアイスホッケー協会は25日、都内で会見を行い、10月8日に開幕する平昌(ピョンチャン)パラリンピック世界最終予選(スウェーデン・エステルスンド)に臨む日本代表の中北浩仁監督と須藤悟主将が意気込みを語った。世界ランク7位の日本は2大会ぶりの出場権獲得を目指し、同6位チェコ、同8位スロバキア、同9位スウェーデン、同10位ドイツと3枠をかけて総当たりで対戦する。

 02年ソルトレークシティー大会後から日本代表チームを率いる中北監督は「前回ソチ大会の出場を逃した悔しさを胸に練習を重ねてきた。新たな選手も入れて、フォーメーションも少し組み替えた。昨年よりはるかにいいチームにレベルアップした」と自信をのぞかせた。須藤主将は「2大会連続で出場を逃すと未来にかかわる、強い気持ちで切符を勝ち取りたい」と語った。

 日本は10年バンクーバー大会で銅メダルを獲得したものの、約半数のメンバーが抜けた後、新たな選手が集まらなかった。もともと練習場の確保など競技環境に恵まれていなかった上に、選手層が薄くなったことで、チーム内の競争原理も低下し、結果的にソチ大会出場を逃した。3年前に障がい者スポーツの管轄が厚労省から健常者と同じ文科省に移管されて、ようやく練習環境も整備されはじめたという。「今回は海外のチームとの試合も増やしてもらい、ゲーム勘はソチ大会よりいい」と須藤。

 チームの平均年齢は41歳。ただ「本番へ向けた調整法はよく分かっている。試合へ向けたメンタルや、オフの使い方などを経験者が若手に伝えてくれて、チームにも浸透してきている」と、中北監督は高齢チームのメリットも大きいという。世界最終予選に出場する5カ国の実力は伯仲している。「最後は勝つ意志、気持ちの強さだと思います。そこを全面的に引っ張りだしたい」(中北監督)。大会の7日間に、この4年間の思いのすべてを凝縮させる。【首藤正徳】