世界ランク4位の日本が同1位のオーストラリアを62-61(14-15、18-13、13-16、17-17)で破り、初優勝を飾った。日本は10年バンクーバー世界選手権、16年リオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルを獲得しているが、両大会を通じて初の決勝進出で、リオ金メダル、大会連覇を狙った強敵を倒して頂点に立った。

 堅固な守備が栄冠につながった。オーストラリアとは1次リーグで対戦し、52-65で完敗。世界NO・1の選手、ライリー・バット1人に40点を奪われていた。そのバットを徹底マーク。2、3人で取り囲んで動きを封じ、相手の攻撃ミス、ターンオーバーを続けて前半の第2ピリオド(P)を終えて32-28とリードを奪った。

 第3Pはオーストラリアの猛追に、逆に日本のミスが重なって1点差に詰め寄られた。最終第4Pは一進一退の展開が続いが、残り1分10秒で池崎大輔(40)がパスインターセプトからトライを決め、最後は池透暢(38)が相手のパスを右手でカットして同点を阻止し、1点差で逃げ切った。

 池崎、主将の池、島川慎一(43)の攻撃陣だけでなく、初の女性代表選手の倉橋香衣(27)、羽賀理之(33)、ベテランの岸光大郎(46)、乗松聖矢(28)らが攻守に確実に役割を果たしての金メダル。大会MVPには池崎が選ばれた。

 池崎大輔の話 こんな大きな大会でチャンピオンになれて素直にうれしい。僕のミスも多かったが、仲間に助けられて1戦1戦成長できたと思う。最後まで諦めずに戦った日本が結果的に世界一のチームになれた。20年東京でも同じ結果を出せるようにしたい。

 乗松聖矢の話 最高です。1人1人が責任を果たして戦った結果。ここで勝てたことは20年東京へのアドバンテージになると思うが、日本にはまだ課題もあるので克服していきたい。

 池透暢の話 目の前のことを1つずつ積み重ねてきたことがこの結果につながった。崩れては持ち直し、崩れては持ち直して勝てました。でも、世界一というのはこの局面だけ。日本はまだ未完成のチームなので、20年東京でチャンピオンになれるように努力していきたい。