車いすWH2世界ランキング1位の山崎悠麻(30=NTT都市開発)が、女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで3冠を達成した。「今年は3種目で金メダルを取りたいと思っていたので、3冠できてうれしい」と笑みを浮かべ、10月のジャカルタ・アジアパラ大会に向けてもはずみをつけた。

2月からジムに通い、本格的な体作りに力を入れてきた。「体幹を強くしたことで体のしんが強くなって、チェアワークのスピードが前よりも速くなった。丁寧にプレーができるようになった」とも勝因を分析する。車いすに乗った状態で、利き手の右肩をトレーナーに押してもらって負荷をかけ、背中を反らせたところから起き上がる。「車いすに乗ったまま腹筋をするような感じですね」。女子シングルス決勝でも、インターバルの間に細かいチェアワークを入念に確認。半面コートを素早く駆け回りながら相手を前後に大きく揺さぶり、チャンス球を確実に仕留めた。

混合ダブルスでは韓国選手とペアを組んで優勝した。「1ゲーム目は取られてしまったんですけど、ここでドロップを落とそうとか、なんとかコミュニケーションを取って2ゲーム目とファイナルを取り切ることができた」とほっとした表情を見せた。