男子800メートル(車いすT52)で佐藤友祈(29=WORLD-AC)が陸上で日本勢第1号の金メダルを獲得した。タイムは2分6秒71で自己ベストから大きく遅れたが、「トラックが重くて1分台ではなく2分台。ただ、パフォーマンスは発揮できたかなと思います」と笑顔を見せた。

スタートでホイールが沈みこんでしまうほどトラックが軟らかかった。押しても押してもレーサーが思い通りにスピードに乗らないコンディションで、スタートから先頭に立ち、後続の選手との距離を保ちながらゴールした。

今年7月に400、1500メートルの世界記録を樹立した。パラリンピック種目ではない800メートルでも「アジアで負けるわけにはいかない」とプレッシャーを感じながら臨んだレース。選手村での食事が合わずに体調も万全ではなかったが、日本のエースとしてタイムよりも勝負に徹した。

メイン種目の400メートルは12日に決勝が予定されている。「ここでは金メダルをしっかり取って2年後につなげたい」。20年東京の金メダル候補は、速さよりも強さを重視して2冠を狙う。