世界ランク1位の国枝慎吾(34=ユニクロ)が、同9位の真田卓(33=凸版印刷)との日本人対決を6-2、6-3で制し、10年の第1回大会からアジアパラ3連覇を達成した。

同時に同競技の男女シングルス優勝者に与えられる2020年東京パラリンピックの出場権も手にし、04年アテネ大会から5大会連続出場を決めた。

最後は右からクロスをたたき込んで勝利を決めた。「持てるものはお互い全部出した」と満足そうだった。実は準優勝した9月の全米オープン後、新しい打ち方にトライしたことでプレーに迷いが生じ「昨日までは今日の決勝はダメかと思っていた」という。結局、全米前の打ち方に戻して臨んだことで、本来のプレーを取り戻した。

パラリンピック・シングルス3連覇がかかった16年リオデジャネイロ大会は、手術した右肘の痛みの影響もあり、準々決勝で敗退した。今季は17年間コンビを組んできた丸山弘道コーチと離れて、元プロの岩見亮コーチとコンビを組んで、心機一転のたなスタートを切った。全豪、全仏と連勝して3年ぶりにグランドスラム(GS、4大大会)のタイトルも手にした。

20年東京大会の出場権を手にしたことには「素直にうれしい。準備ができる」と喜んだ。一方で「自分はツアーを続けることが仕事。GSで勝っていくことが大事。2年後は東京開催だから出たいけど、他国開催だったらGSを優先する。GSのステータスをもっと上げていきたい」と、ツアーを転戦するトッププロの本音も吐露した。