女子200メートル個人メドレー(運動機能障害SM10)は、池あいり(20=日体大)が2分39秒22で優勝した。ただ、同クラスの出場は池1人だけ。一ノ瀬メイ(21=近大、SM9)ら違うクラスの3選手と一緒に泳いでもトップでゴールしたが、問題はタイムだった。

レース後の取材エリア。報道陣に囲まれた池は、悔しさの裏返しか“あいりスマイル”を振りまいた。「タイム、出なかったですね~。もう、笑っちゃいます!」。自己ベストは2分35秒74で日本記録。今年6月にベルリンで出したタイムは今季世界11位、アジアでは2位にランクされている。それから4秒近く遅れてしまった。

10月のジャカルタ・アジアパラ大会代表。金1、銀3、銅1と、出場した5種目すべてでメダルを獲得した。200メートル個人メドレーは2分37秒96で銀だった。「アジアパラが終わって、気持ちは楽にいけたんですが…ねぇ。泳ぎ込んできましたが、後半のブレスト(平泳ぎ)とフリーで4秒遅れちゃいました」。試合間隔がほぼ2カ月空いたことで、心身の調整が微妙に崩れていたようだ。

春の欧州遠征では複数種目で自己ベストを更新し、アジア&日本記録を連発。8月のパンパシフィック大会(オーストラリア)では100メートルバタフライで銅メダルを手にした。現在、アジア記録6、日本記録12を保持している。20年東京を前に来年夏には世界選手権(マレーシア)が行われるが、今月末からは日体大水泳部のメンバーとして約2週間のメキシコ高地合宿に参加し、心肺機能を強化するという。

今年のレースは2日の50メートル自由形がラストになる。「明日ですね。このままじゃ帰れませんからね」。パラ水泳界のヒロインが、18年を好タイムで締めくくる。【小堀泰男】