沖縄ハリケーンズが48-47でフリーダム(高知)を破り、3年連続5度目の優勝を飾った。

監督兼任選手の仲里進(41)が試合終了直前に決勝トライを決め、接戦にピリオドを打った。オーストラリア代表としてリオデジャネイロ・パラリンピックで金メダルを獲得したマット・ルイス(31)は37点を挙げてMVPに輝いた。

元日本代表の執念だった。第4ピリオド、試合終了11秒前に同点トライを浴びた。沖縄ハリケーンズのスローイン。ボールを受けた仲里は、自陣から一直線トライラインへ向かう。直前で相手のタックルを受けたが、レフェリーが認定トライを告げるのと同時に終了のブザーが響いた。「記念の大会(第20回)で3連覇できてホッとしている。チーム一丸になれたのが勝因です」。04年アテネから4大会連続パラリンピックに出場し、16年リオでは銅メダルを獲得したベテランの表情が緩んだ。

4人で戦う車いすラグビーで、現在メンバーは5人しかいない。昨年から2人減り、大会出場登録ギリギリの人数。日本選手権20回連続出場の伝統チームだが選手確保に苦戦し、ここ数年は存続の危機に直面している。今回も強力助っ人のルイスがいなければ出場すらできなかった。「来年はどうなるか分からない。自分が他のチームに移籍するかもしれないしね。でも、何とか沖縄でチームを続けていきたい」と仲里。さらにこう付け加えた。「自分の代表復帰へ向けてもアピールできたと思う」。

日本代表は今年8月の世界選手権(オーストラリア)で初優勝を飾ったが、仲里はメンバーから外れた。当然、代表復帰、20年東京のコートに立つことも大きなモチベーションになる。「自分の特長であるクイックネス、パワー、パスワーク、ディフェンスをさらに磨いて、代表のため、日本のために戦いたい」。仲里の言葉は力強かった。