パラリンピック出場選手による日本パラリンピアンズ協会(PAJ)が主催し、(株)スタイル・エッジが協力する「ネクストパラアスリートスカラーシップ(NPAS=エヌパス)」の19年第2期授与式が22日、東京・港区の電通パブリックリレーションズで行われた。

高校生や大学生などパラリンピックを目指す次世代アスリートの競技活動をサポートする奨学金制度で、今年は応募者16人(男子11人、女子5人)の中から、パラノルディックスキーの森宏明(22=明大4年)、車いすテニスの高野頌吾(15=小郡市立三国中3年)、ボッチャの唐司あみ(16=東京都立府中けやきの森学園高2年)、車いすバスケットボールの柳本あまね(20=同志社女子大2年)の4人が選ばれた。

4選手には奨学金として年間50万円が給付されるほか、各種勉強会への参加や英語習得のサポートのほか、元パラリンピアンによる相談やアドバイスなどの支援が受けられる。PAJの河合純一会長は「競技力と同時に人間的な成長などさまざまなものを身に付けて、20年大会後を引っ張っていくリーダーになってほしい」と期待した。

4選手は大学生2人と高校生1人、中学生1人と年齢層は幅広い。競技歴1年で、今季初戦のノルディックスキーW杯フィンランド大会から帰国したばかりの森は「22年の北京パラリンピックで金メダルを取りたい。奨学金は用具が十分にそろっていないので用具費に充てたい」。車いすバスケットボールの強化指定選手でもある柳本は「競技に集中できる環境をいただけて感謝している。遠征の交通費、宿泊費に使わせていただきたい」と話した。

16年リオデジャネイロ・パラリンピックで日本代表の銀メダル獲得に刺激されて競技を始め、8月のボッチャ甲子園でチームで優勝した16歳の唐司は「奨学金は遠征費やボールを買う費用に充てたい。パラリンピックに出場できたら、私のようにスポーツをやっていなかった人にスポーツの楽しさを伝えることができればと思います。たくさん練習をして実力をつけていきたい」。国枝慎吾に憧れて車いすテニスを始めた15歳の高野は「海外の大会に出場したことがないので、奨学金はその費用に充てて、24年のパラリンピックに出場して、国枝さんと同じ舞台に立ちたい」と意気込んだ。【首藤正徳】