2020年東京パラリンピックでメダル獲得を目指す世界ランク9位の日本が、あと1歩で2度目の金星とメダルを逃した。

1次リーグ第3戦でも対戦し、1-0で金星を挙げた同4位スペインと3位決定戦で再戦。今回も高い位置でボールを奪って攻める攻撃サッカーで何度も決定機をつくったが、後半17分(20分ハーフ)に決勝点を奪われ、0-1で敗れた。

この競技の難しさが失点シーンに凝縮されていた。ゴールを決めたアラマールのドリブルを3人で止めに入った。守備の要でもある田中章仁(40)が絡みつき、ボールを奪いかけたが「敵と味方の区別ができなくなって、ボールを離してしまった。敵とはっきり分かれば詰めていた」。その一瞬の判断ミスを、スペインのエースは逃さなかった。

パラリンピックの前哨戦と位置づけた強豪が集う大会で、1次リーグを1位突破した。1度は格上スペインから金星も挙げた。健闘はした。しかし、イングランドとの準決勝、3位決定戦とメダルのかかった勝負どころで勝ち切れなかった。スペインとの初戦で値千金のゴールを決めた川村怜(30)も「すべての力を出し切ったが、これが実力。日本の現状です。世界ではそう簡単には勝てない。最後のフィニッシュ、シュートを打ちきることが課題」と冷静にふり返った。

今大会は参加8カ国、2組での1次リーグ戦というパラリンピックと同じ形式でもあった。「前からプレスをかけて勝負にいった。内容には満足しています。南米、欧州と毎日違うプレースタイルに対応していく、さらに勝ったら決勝、勝ったらメダルという試合を1年半前に経験できたことは大きな収穫」と高田敏志監督は目を真っ赤にして、敗戦を前向きにとらえていた。

決勝は世界ランク2位のアルゼンチンが2-0で同12位のイングランドに快勝し、2大会連続優勝を決めた。