女子400メートル(視覚障がいT13)で佐々木真菜(21=東邦銀行)が58秒08のアジア新記録をマークした。6月の日本選手権(大坂)で自らが出した58秒34を大きく上回り、11月の世界選手権(ドバイ)へ日本パラ陸連が設定する派遣指定記録の58秒11もクリアした。

ゴールして掲示板でタイムを確認すると、涙があふれ出した。同走した選手に肩を抱かれて祝福されても、体の震えが止まらなかった。今大会は世界選手権へ向けた最終選考会。アジア記録をも上回る指定記録に挑めるラストチャンスだった。

「ホッとしたのと、うれしいのと…。最後に記録が出せて自信になりました」。スタートからの5歩に意識を集中して加速し、前半のスピードを後半に生かす練習通りの走り。緊張感の中で「自分の力を出すだけでいい。笑顔でスタート地点に立とう」をセルフコントロールしてアジアでは無敵の実力を発揮した。

世界選手権4位以内なら20年東京パラリンピック代表に内定する。「これで東京に1歩近づけたと思います。57秒台の後半は出せるはずなので…」。16年リオ・パラリンピックは参加標準記録をクリアしながら、ランキングの関係で出場できなかった。その悔しさを

練習にぶつけてきたヤングスプリンターは、17年に続いて世界選手権の舞台に立つ。