20年東京パラリンピック開幕まで25日でちょうど1年となるのを前に、都内の日本記者クラブで21日、東京五輪・パラリンピック組織委員会による大会準備状況の説明会が開かれた。

組織委の山脇康副会長(71)が競技会場建設や交通、輸送、宿泊、暑熱対策などが順調に進んでいることを明らかにし、参加する選手たちに対しては「最高のパフォーマンスを発揮できる環境を用意する」と約束した。

選手を代表して出席した12年ロンドン、16年リオデジャネイロ大会男子水泳(視覚障がい)代表・木村敬一(28=東京ガス)は「東京では金メダル獲得を目指します」。これまで銀3、銅3の6つメダルを手にしながら、いまだに極めていない頂点に立つことを誓った。さらに「パラリンピックは障がい者と健常者の共存を進める最高の機会。私の競技人生においても、日本にとっても大きな1ページになる」と大会への思いを表現した。

東京で陸上男子走り幅跳び(下肢義足)3連覇を狙うマルクス・レーム(31=ドイツ)は「3つめの金メダルを取り、8メートル48を破りたい」と自らの世界記録更新も予告。さらに「1年前の今、日本ではパラリンピアンへの認知度は極めて高い。東京はロンドンを超える可能性を持っている」と、過去最高とされる12年大会を上回る成功を収めることを予想した。

国際パラリンピック委員会とその関連組織であるアギトス財団の会見も行われ、パラリンピック教育に力を注いだ国内2つ、海外1つの学校と、パラリンピック運動と共生社会実現へ貢献した男女1人ずつの選手に、東京大会閉会式で新設の賞を贈ることも発表された。