男子107キロ級で中辻克仁(49=日鉄住金環境プラントソリューションズ)が銀メダルを獲得した。194キロを連続して失敗したが、三度目の正直で成功。「危うかったですが、まあ、よかったです」。2回目までもバーベルはきれいに上がっていたが、ジャッジに成功の白ランプをもらえなかった。手首の微妙な角度を修正してフォームを整えて表彰台を確保した。

今年2月の全日本選手権で日本人初の200キロリフターになった。7月の世界選手権(カザフスタン)では202キロに記録を伸ばして9位。その後、大会の疲れを取り除きながらパワーを養う密度の濃い練習をこなしてきたが、試合間隔の短さが微妙にコンディションに影響を与えた。

東京パラに出場するには17年の世界選手権から来春までの国際大会の成績で決まるランキングで8位以内に入なければならない。1回目に194キロをクリアすれば2回目には198~200キロに挑み、さらに記録を伸ばすこの日のプランは幻に終わったが、中辻の表情は明るい。

「試技の精度は上がっている。これからの試合で1キロでも記録を上げていって、202以上を狙っていきます」

世界中に強豪がひしめく重量級で日本一の力持ちが挑戦を続ける。