世界ランキング2位の日本が同6位フランスを51-42(14-11、11-7、13-14、13-10)で下して開幕2連勝とし、準決勝進出を決めた。相手のスピードに乗った攻撃に手を焼くシーンもあったが、日本が世界に誇るハイポインター(障がいの軽い選手)、池透暢主将(39=フリーダム)、池崎大輔(41=東京サンズ)、島川慎一(44=ブリッツ)が合計41得点と底力を見せつけた。

“三本の矢”が試合を通じてコートに君臨した。池崎16点、島川13点、池12点。池の正確無比なロングパスと池崎、島川の世界屈指のスピードと突破力がかみ合ってトライを重ねた。16年リオデジャネイロ・パラリンピック銅メダル、18年世界選手権金メダルの原動力になった強者たちがが欧州の強豪を退けた。

「結果を残すことで車いすラグビーの魅力を発信したい」という池崎は、客席を埋めた小中高校生から「ダイスケ~ッ」のコールを浴び、「目がウルウルするくらいうれしかった」。18日に同じ2連勝の世界4位・英国と対戦するが「プレス、ゾーンのディフェンスの切り替えがポイントになる」と、3戦全勝でのトップ通過を狙う。

◆車いすラグビー・ワールドチャレンジ2019 世界ランキング・トップ10以内の8チームがA組=日本<2>、英国<4>、フランス<6>、ブラジル<10>、B組=オーストラリア<1>、米国<3>、カナダ<5>、ニュージーランド<9>に分かれて1次リーグを戦い、各組上位2チームが19日の準決勝に進み、20日に決勝、3位決定戦が行われる。※<>内は世界ランキング

◆車いすラグビー◆

▼4対4 四肢に障害のある選手が4対4で戦う。ラグビー、バスケット、バレー、アイスホッケーなどの要素が組み合わされ、バスケットと同じサイズのコートで行う。

▼クラス分け 選手は障害の程度でクラス分けされ、持ち点がつけられる。重い方の0・5点から軽い方の3・5点まで0・5点刻みに7段階で、4人の持ち点合計が8点以下でなければならない。3・0以上の選手をハイポインター、1・5以下の選手をローポインター、中間の選手をミドルポインターと呼ぶ。

▼試合時間 1ピリオド(P)8分の4P制。第1、3P終了後は2分、第2P終了後は5分のインターバルがある。

▼前方へのパスOK バレーボールと同じ大きさの専用球を使い、パスや選手が保持して相手側のトライラインまで運ばれる。前方へのパスも可能。ボールを保持した選手は10秒に1回ドリブルするか、パスしなければならない。トライが決まれば1点。