世界ランキング12位の日本が、初戦で同17位のライバル韓国を8-2で破った。前半は相手のオウンゴールに助けられて2-で折り返したが、後半に6ゴールをたたき出す快勝。昨年10月のジャカルタ・アジアパラ3位決定戦で逆転負けした雪辱も果たした。

後半から出場した宮食(みやじき)行次(24)はチームNO・1、182センチの長身からコートにたたきつけるようなバウンドボールで2得点。これまでは守備の要、3選手の真ん中のセンターでプレーする機会も多かったが、この日はレフトに入って積極的に得点を狙った。「途中出場を想定して準備していました。(前半レフトの)金子のスピードボールから僕のバウンドで変化をつけられたと思います」。中学までは野球、高校ではソフトボールをやっていたキャリア2年の日本の“新兵器”は、着実に代表に定着しつつある。ライトの山口凌河(22)も後半に4ゴールをマークした。

東京パラリンピックには開催国枠で初出場するが、江黒直樹監督(54)は「最高の結果を目指します」と強気に金メダルを目標に掲げる。代表は6人で、今大会の結果を基にまず、3~4人を選出する予定だ。「この大会の6人が今、一番いいメンバーです」と江黒監督。代表の平均年齢は23歳で、世代交代と強化を並行して押し進めてきた。世界4位の中国、同8位のイランを倒して、東京パラにつながる優勝を狙う。

大会は出場7チームが総当たりの1次リーグを戦い、上位4チームが準決勝に進出する。

◆ゴールボール 視覚障がい者による対戦型チームスポーツ。1チーム3人でコートはバレーボールと同じ18×9メートル。両サイドにコート幅と同じゴール(高さ1・3メートル)がある。攻撃側は鈴の入ったボールを相手ゴールに投球し、守備側は全身を使ってセービングする。選手はボールの鈴の音や相手の足音、床のわずかな振動などを頼りに、攻撃と守備を攻守を交互に入れ替えて得点を競う。試合は前後半12分の計24分、ハーフタイムは3分。選手は視力の程度に関係なくアイシェード(目隠し)を装着してプレーする。