パワーリフティング男子72キロ級で東京パラリンピック出場を目指している樋口健太郎(47=フリー)が8日、母校の東京都八王子市立恩方第一小学校で講演会を開いた。

テーマは「将来の夢を考えよう」。17年9月に交通事故で右脚を大腿(だいたい)部から切断。入院中にパワーリフティングと出合い、同年12月の全日本選手権に競技歴1カ月で出場し、136キロで優勝した。その後は記録を伸ばし続け、昨年9月の東京パラ・テスト大会で自らの日本記録を更新する175キロをマークしている。

荒川区内の小学校の理科講師。毎朝4時に起床して2時間のトレーニングを積んでから出勤する生活を年齢の離れた後輩たちに紹介し、「時間がないなんて言ってはいけない。時間は自分でつくるものだから」と熱く語った。受傷した際に夢として掲げた東京パラ出場を実現するために、毎週末にはコーチがいる大阪に通い、陸上短距離の練習を取り入れていることも伝えた。「自分の幸せ、仲間の幸せ、社会の幸せ」を念頭に、パラスポーツや障がい者への理解を深める活動にも力を注いでいる。

世界中の強豪と争うパラリンピック・ランキングは現在11位。自力で東京パラの出場権を獲得するには8位以内に入る必要がある。2月1、2日に日本工学院八王子専門学校で行われる全日本には3連覇がかかる。さらに同月末に英国、4月にUAEで行われるW杯で東京出場圏内へのランクアップを狙っている。