パラリンピックの正式競技、パラパワーリフティングでオンラインのW杯シリーズが開催されている。

世界パラパワーリフティング連盟(WPPO)の企画で、世界中から過去のパラリンピックや世界選手権メダリストらが参加して4月からスタート。月に1度、選手が自宅や練習拠点で体重測定やベンチ台での3回の試技を撮影し、その動画をWPPOに送付してジャッジを受け、獲得ポイントによるシリーズ順位を争うシステムになっている。

新型コロナウイルスの世界的拡大の影響で東京パラリンピック出場につながるランキング対象の国際大会が相次いで中止され、東京大会も1年延期になった。先の見えない状況で世界中の選手の競技力やモチベーションの維持につなげるのが目的で、日本連盟もこの5月から国内の選手に参加の案内を出した。

「対人競技ではない、パワーリフティングならではの競技会だと思います」と日本連盟の吉田彫子広報担当。故障を避けるために外出自粛期間でも十分な練習が積めていること、試技の際に補助者がいることなどの安全確保を条件に日本連盟が出場希望選手の動画を取りまとめ、WPPOに一括して送付するという。シリーズはコロナ禍の収束状況次第だが、今後数ケ月間、開催される見込みだ。

なお、東京パラリンピック出場ランキングの対象大会の開催期限は今年4月から来年6月まで延長された。原則として体重別に男女各10階級の8位以内、1カ国・地域から1選手に出場枠が与えられる。

◆パラパワーリフティング 下肢障がい者を対象にしたベンチプレス競技で64年の東京パラリンピックから採用された。障がいの程度によるクラス分けはなく、体重別に男子は49キロ級~107キロ超級、女子は41キロ級~86キロ超級の各10階級。1回の試技で1回だけバーベルをあげ、希望する重量に3回挑める。バーベルをあげても3人の審判のうち2人以上に認められなければ失敗。来年の東京パラ出場へは複数の指定大会に出場し、標準記録を突破することが最低条件で、東京パラランキング8位以内で出場が内定する。それ以外に男女合わせて20人の推薦枠がある。