国際パラリンピック委員会(IPC)が2日、公式サイトで視覚障がい者柔道の広瀬悠(41=SMBC日興証券)を「彼は東京パラリンピックへのモチベーションを夫人に見いだしている」というタイトルで紹介した。

広瀬は100キロ級で08年北京大会5位、90キロ級に転じた16年リオデジャネイロ大会は12位。一方、15年に結婚した順子(29=SMBC日興証券)はリオ大会57キロ級で銅メダルを獲得し、日本女子選手として初めて表彰台に立った。広瀬は「かかあ天下」「格差婚」を口癖にしているが、コーチとして献身的に支え続けている。

「順子は東京で金メダルを獲得できると信じている。私はコーチとしてそれを実現するつもりです」と広瀬。18年の世界選手権では順子を銀メダルへ導いた。東京大会で悲願の世界一を実現するべく、海外のライバル対策として基礎体力の向上に力を注いできた。

リオに続く夫婦代表、ともに表彰台に上がることも大きな目標になる。それでも広瀬は「私のこれまでの実績からすると、金メダルは私の目標ではありません。友人がより楽しめるように、できるだけ多くの試合に勝ちたい」と冷静に自己分析。新型コロナウイルスの影響で大会は1年延期されたことも「私たちがやるべきことはたくさんある。昨日よりも良くなるためにやるべきことは何でもやります」と前向きにとらえている。

東京大会では男子7、女子6階級が行われ、出場権は18年9月から来年5月31日までの国際大会成績による世界ランキングで争われる。日本は18年の世界選手権の結果から男女全階級に1つずつ出場枠が与えられており、各階級の世界ランキング国内最上位者が代表に選出される。