東京パラリンピックで金メダル獲得を目指す車いすラグビー日本代表が4日、オンラインで現状報告会見を行った。

ケビン・オアー監督(52)は米国アラバマ州の自宅から会見に臨み、新型コロナウイルスの影響で東京大会が来夏に延期されたことについて「日本にとっていい方向に作用する。若い選手の成長がインパクトになり、さらにベストなチームに成長することにつながる」と明言。進境著しい橋本勝也(18=福島・田村高/東北ストーマーズ)らの名前を挙げ、これから1年でチームの完成度をさらに向上させていくことを約束した。

日本代表は2月の強化合宿以降、活動を自粛。オアー監督は米国に帰国したが、コロナウイルスの世界的感染拡大による渡航制限もあって日本に戻れなくなっている。代表が7月18日から1週間の合宿(味の素ナショナルトレーニングセンター=NTC)で再始動した際はリモートで指導した。「選手のコンディションは思っていた以上に良かった。フルゲーム形式で細かい戦術的練習もできたし、100%とは言わないが、これまでと変わらない内容だった」と手ごたえを口にした。

代表は今月17日からも1週間の合宿(NTC)を予定しているが、オアー監督の参加は未定。「できるだけ早く日本に戻りたい。もちろん東京大会の金メダルが目標だが、このスポーツを日本に根づかせるためにもチーム強化と新戦力のリクルートを並行して進めていきたい」と1日でも早いチーム合流を願った。

オアー監督は陸上選手として88年ソウル・パラリンピックで銅メダル2つを獲得。車いすラグビーの指導者として04年アテネ大会で米国に銅メダル、12年ロンドン大会でカナダに銀メダルをもたらしている。16年リオ大会銅メダルの日本代表を17年2月から率いて、翌18年の世界選手権で優勝に導いている。【小堀泰男】