サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシ(33=バルセロナ)とブラインド(5人制)サッカー日本代表の加藤健人(34=アクサ生命保険、埼玉T.Wings)が対面していたことが分かった。

視覚障がい者のための人工知能(AI)を搭載した視覚支援デバイスを製造するオーカムテクノロジーズ(本社イスラエル)が10日、メッシのアンバサダー就任を発表。同時に発足したプロジェクト「オーカム ドリーム チーム」にも参加し、視覚障がい者のクオリティー・オブ・ライフ向上を支援していくことになった。日本ブラインドサッカー協会もオーカム社とパートナーシップを結んでおり、加藤もメンバーに加わった。

プロジェクトの一環として対面が実現したのは今年2月。加藤はバルセロナに渡り、世界中から集まった十数人の視覚障がい者とともにメッシとのミーティングに参加し、オーカム社の製品を直接手渡されたという。この日の発表会見にオンラインで参加した加藤は「最初はバルセロナに行くことしか知らされてなくて不安でした。世界一と言っていい有名なサッカー選手でオーラがすごかった。ブラサカ選手としての活動の積み重ねでメッシに会えたと思う。やってきてよかった。今回はボールを蹴り合えなかったけど、いつか実現したい」と感激の瞬間を振り返った。

加藤は福島市出身で高校時代から遺伝性のレーベル病で視力が低下した。19歳でブラインドサッカーと出合い、FP(フィールドプレーヤー)として07年からは日本代表として活躍。来年に延期された東京パラリンピックでメダル獲得を目指している。