男子97キロ級を157キロで制した馬島誠(49=日本オラクル)は、笑顔の中に悔しさをにじませた。「不満です。165キロを挙げたかった。思い描いていたのとは違ってしまった」。

157キロでスタートし、165キロ、170キロというプランを描いていたが、1回目に157キロに失敗。2回目に成功したものの、3回目の165キロも押し切れなかった。

160キロの日本記録保持者だが、世界のレベルは高く、東京パラリンピックの出場最低標準記録が165キロ。「練習では挙がっている。目をつぶっても挙げられるようにならないと世界では通用しない」と自身に厳しい言葉を浴びせた。

パラアイスホッケー日本代表として06年トリノ大会5位、10年バンクーバー大会では銀メダルを獲得している。東京パラに出場すためには標準記録をクリアした上で、ランキング8位以内を目指さなければならない。現在17位で60キロ以上の重量アップが必要だが「1月の全日本で165キロを挙げ、その上で1キロでも多く挙げてランキングに入っていきたい」と夏冬オリンピアンへ執念をのぞかせた。

◆パラ・パワーリフティング 下肢に障がいを持つ選手が対象で、台上にあおむけになった状態でバーベルを押し上げて重量を競うベンチプレス競技。東京パラでは男女各10階級が行われる。最低出場標準記録をクリアし、国際パラリンピック委員会が指定する国際大会の成績が反映されるランキングで、来年6月までに上位8位以内に入れば出場権が得られる。