車いす陸上とチェアスキーの二刀流で夏冬パラリンピック出場にチャレンジする村岡桃佳(24=トヨタ自動車)が、9日から長野県の菅平パインビークスキー場で開催されるパラアルペンスキーアジア杯で2シーズンぶりにゲレンデでの実戦に復帰する。

開幕前日の8日にオンラインで会見し、「大会では自分の滑りと道具の確認をするのが狙いですが、ニューフェースと思われるような生き生きとした、フレッシュな滑りをしたい」と意気込みを明かした。

村岡は18年平昌パラで金メダルを含む5つのメダルを獲得。18-19シーズンにはW杯総合優勝も果たした。19年4月からは東京パラ出場を目指して本格的に陸上に取り組み、車いすT54クラスの100メートルで代表を争う世界ランキング6位と圏内につけている。新型コロナウイルスの影響で大会が1年延期されて日程は厳しくなったが、今夏の東京と来年3月の北京パラ出場に挑むことを決意し、昨秋からは両競技のトレーニングを交互に続けてきた。

昨年10月末に欧州で雪上練習を再開した時のことを「1年半ぶりってこんなに大きいのかと思うほど感覚が鈍っていた」と振り返ったが、現在は平昌の女王の滑りが復活。日本代表の石井沙織コーチは昨年末の代表合宿の時点で「まったく衰えていなかった。陸上を経験したことで一回りも二回りも強くなって帰ってきた」と評価している。

村岡は13日までの大会でスーパー大回転、回転、大回転に出場。その後は陸上の日本選手権(20、21日=東京・駒沢)と日体大競技会(27、28日=横浜)を走る。4月にはスキーのアジア杯(11~15日=長野県野沢温泉)を滑り、その後は再び陸上に戻ってジャパパラ大会(24、25日=高松)を走るスケジュールを立てている。