女子立位PTS2(運動機能障害)クラスの秦由加子(40=キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・稲毛インター)は、1時間25分43秒で同クラス2位に入った。試合後には米国のメリッサ・ストックウェルに先着を許したことに悔しさをかみしめながら、約1年2カ月ぶりにライバルとの再会に感極まり声を震わせていた。

昨年2月末に行われたオーストラリア・デヴェンポート大会でストックウェルを破ってトップに立ったが、この日は序盤のスイムから1分以上離された。ライバルに8分近く遅れてのゴールに、秦は「コロナ前に勝っていたので悔しいですが、条件は同じでそこで負けてしまったのは強さが足りない。彼女は強かった」とたたえた。

ストックウェルとはコロナ禍でもSNSを通じて、連絡を取り合った。懸命に競技に打ち込むライバルの存在が励みにあった。「彼女のように強くなりたい」と思えたからこそ、コロナ禍でも競技を続ける原動力になった。

海外選手を招いた国際大会に、果たしてどれぐらい来るんだろうかとの不安もあった。横浜には来るのと尋ねると、ストックウェルは「予定では行くつもりだ」。来日を果たして共にレースを出場することができたからこそ、感慨深いものが込み上げてきた。

16日で東京パラリンピック開幕まで100日を迎える。秦は「難しい状況にはありますが、もし開催されれば人生の中でも重要なことになる。これからももっと頑張らないと」と気持ちを引き締めた。