職人を集結させた総合力で挑む。9日に開幕する平昌パラリンピックノルディックスキー距離男子立位代表の新田佳浩(37=日立ソリューションズ)が8日、選手村で記者会見を行い「チームジャパン」で臨む覚悟を示した。

 10年バンクーバー大会2冠のエースは「過去にないウェザーニューズとワックスマンとのコミュニケーションがアドバンテージになっている。他のチームにない日本の強み」と自信をのぞかせた。

 14年ソチ大会以降、選手の競技力向上と同じぐらいワックスの選定と天候調査に重点を置いた。2つとも過去は選手に任せていたが、今大会は職人を集結さてプロの見解を取り入れた。

 「ワックスマン」は、ソチ五輪ノルディックスキー複合で渡部暁斗の銀メダルに貢献した佐藤勇治コーチ。気象会社のウェザーニューズの協力も仰ぎ、同社2人も代表に同行した。会場の天候や雪質などを計測し、随時、選手へ情報提供する。選手はその日、その時の気候状況に合わせたワックスで滑走することが可能になった。

 「ワックス、気象情報と万全の準備が整った。雪が降った時の対策も出来ているし、想像力にあふれたチームになった。(職人らと)家族より長い時間も過ごして、全幅の信頼を置いている。あとは選手が最大限のパフォーマンスを発揮するだけ」と新田は言う。過去最強の布陣で大舞台に臨む、準備は整った。【峯岸佑樹】