村岡桃佳(21=早大)が2日連続のメダルを獲得した。出場8選手中1番目の滑走で1分36秒10。後続の2選手に上回られたものの、3位に食い込んで銅。10日の滑降銀に続くメダルになった。

 真っ白なコースにショッキングピンクのチェアアスキーが映えた。順調に滑っていた村岡の体が浮き上がったのは中盤だった。段差にスキーが跳ね上がられてバランスを崩し、タイムロス。その後は体勢を立て直して慎重にゴールを切った。

 村岡は冷静にレースを振り返った。「今日は(コースの)セットが難しくて、滑りのイメージができませんでした。まだ行けたな、という悔しさが残りつつ、メダル獲得はうれしいです」。バランスを崩した瞬間は恐怖心に襲われたというが、世界トップレベルのターン技術がメダルをたぐり寄せた。

 滑降の銀メダルがこの日のレースに微妙に影響したという。「すごく楽になって、何も気にせずに後のレースに臨めると思いましたが、その安心感から恐怖心に負けてしまった感じがします」。積極果敢に斜面に突っ込んでいく攻撃的な滑りが少しだけ影を潜めたことが「まだ行けたな」という言葉に表れた。

 1日の休養をはさんで13日には複合が予定されている。スーパー大回転と回転の2本を滑って争う種目だ。この日までの高速系から技術系の回転に滑りをシフトしていかねばならない。「明日しっかり調整して自分の滑りをしたいです」。銀、銅と続けは、次に狙うのは金しかない。

 ◆村岡桃佳(むらおか・ももか)1997年(平9)3月3日、埼玉県生まれ。正智深谷高卒業後、早大スポーツ科学部へ進学。4歳の時、横断性脊髄炎を発症し、車いす生活となる。中2で本格的に競技を始める。日本選手団最年少の17歳で出場した14年ソチ大会は大回転5位、回転9位。15-16年シーズンのW杯で大回転種目別優勝。17年W杯白馬大会スーパー大回転優勝。家族構成は両親、姉、兄、妹。150センチ、37キロ。