フィギュアスケート男子の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)が今日9日、初五輪(オリンピック)に出陣する。団体の出場選手が8日に発表され、男子ショートプログラム(SP)を滑ることが決定。会場の練習用リンクでSPを想定した午後2時過ぎからの練習ではフリップ、トーループの4回転ジャンプを8本中7本決めた。取材エリアでは「頑張ります」と短い言葉だけを残し、少しばかり表情を緩めた。

 4回転を25本中14本成功させた前日7日から、好調を維持している。小林芳子監督からは「フリーに進むことが大前提。それを考えて、次に本人の希望、今のコンディションを考えて選びました」と団体1番手の大役を授かった。夜はフリーのみ使用する4回転ループの練習に励み、最終調整にも程良いゆとりがある。

 ソチ五輪では初出場の羽生が、今大会の宇野と同じく最終滑走だった団体SP1位を経て、個人で金メダルを獲得。小林監督もその成功例にうなずき「五輪の雰囲気を味わってもらいたい。チームジャパンのスタートダッシュが(表彰台が目標の)団体戦の成績につながりますし、それが個人戦にもつながる」と期待を込めた。【松本航】

 ◆フィギュアスケート団体 前回ソチ五輪から採用された。10チームが出場。男女各1人、ペア、アイスダンス各1組でチームを構成し、種目ごとに1位に10点、2位に9点…10位に1点が与えられ、チームごとの順位点合計で争う。SPの上位5チームがフリーに進む。2種目まではSPとフリーで異なる選手を起用可能。個人種目が始まる前に計3日かけて実施される。ソチでは開催国のロシアが優勝し、羽生を擁した日本は5位に終わった。