得意な1番滑走で最高のスタートを切る。16日のフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)の滑走順抽選が14日に行われ、2連覇を狙う羽生結弦(23=ANA)は最終組1番の25番を引き当てた。

 「1番滑走は得意」と話す通り相性はいい。グループの1番滑走は、直前の6分間練習で体が温まったまま演技に向かえるとともに、前の選手の演技に集中をそがれることもない。14年ソチ五輪は4組目1番滑走。15年のグランプリ(GP)ファイナルは最終組1番滑走で、いずれも当時の世界最高点につなげた。世界ランク1位として1番最初にくじを引き、自らの手で吉兆の順を引き寄せた。

 この日の練習では、現地入り後初めてSP「バラード第1番」を披露した。曲に合わせた練習では、ジャンプを跳ばずに流れを確認。ただ、跳ぶタイミングの動作は世界最高点の112・72点をマークした昨年9月のオータム・クラシックと同じ、4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)、4回転-3回転トーループの連続技だった。曲をかける前には、この3つのジャンプだけを練習。4回転は計3度挑んで2度成功し、1度転倒した4回転サルコーも、跳び直して完璧に決めた。得意な順番に、順調な調整。連覇の舞台は整ってきた。【高場泉穂】