ショートプログラム(SP)3位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)がフリー3位の202・73点を記録し、合計306・90点で銀メダルを獲得した。

 宇野を5歳から指導する山田満知子コーチ(74)は、愛知・豊田市の中京大で取材に応じた。海外遠征は教え子の樋口コーチに託しており、中京大でテレビ観戦。かける言葉を問われると両手を広げ、「うわーっと抱きしめたい。『今後もまだあるよ』とかじゃなく、大舞台であれだけのことを…。ねぎらいたいだけです」とはしゃいだ。

 才能より努力で得たメダル。何よりも宇野が浴びた大歓声がうれしかった。「1位とか2位よりも、愛されたり、応援される、したくなる人間になってほしいと思ってきた。それにはやはりハート、心がきれいじゃないと。昌磨もそういう人間に育った」。北京オリンピック(五輪)に向け「彼はそれを見据えてやっているでしょう」とさらなる成長を確信していた。

 ◆山田満知子(やまだ・まちこ)1943年(昭18)6月26日、名古屋市生まれ。7歳からフィギュアを始め、全国高校総体優勝、全日本選手権2位。金城学院大卒業後に指導者となり、92年アルベールビル五輪銀の伊藤みどり、10年バンクーバー五輪銀の浅田真央らを育成。名古屋・グランプリ東海フィギュアスケーティングクラブでコーチを務める。