国際オリンピック委員会(IOC)は20日、2月9日に開幕する平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)の北朝鮮参加を巡り、韓国と北朝鮮の国内オリンピック委員会、大会組織委員会との4者会談をスイスのローザンヌで開き、北朝鮮がスキー、アイスホッケー、スケートの3競技に22選手を派遣すると発表した。アイスホッケー女子での五輪初の南北合同チーム結成、開会式で「統一旗」を掲げた合同入場行進も正式に決定した。合同入場行進は2006年トリノ冬季大会以来となる。

 出場種目はアイスホッケー女子のほか、フィギュアスケートのペア、スピードスケート・ショートトラック男子の500メートルと1500メートル、スキー距離の男子15キロフリーと女子10キロフリー、アルペンの男女大回転と回転。フィギュア・ペアで昨年2月の札幌冬季アジア大会3位のリョム・テオク、キム・ジュシク組などの選手も決まった。

 合同入場行進ではチーム名は「コリア」の呼称を用い、旗手は南北の男女各1人が務める。合同チームのアイスホッケー女子は、国歌の代わりに朝鮮半島を代表する民謡「アリラン」を使う。

 韓国選手が不利益を被ることがないよう登録選手増を求めていたアイスホッケー女子は、韓国の23選手に北朝鮮の12選手を加えることを承認。試合ごとに、出場する22選手のうち最低3人は北朝鮮から選ぶ方式で合意した。

 会談には金日国(キムイルグク)・北朝鮮オリンピック委員会委員長(体育相)や韓国の都鍾煥(トジョンファン)・文化体育観光相、組織委の李熙範(イヒボム)会長らが出席し、終了後に議長のバッハ会長が声明を発表した。

 北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射で緊張が高まる中、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は「平和五輪」を掲げ、北朝鮮に参加を呼び掛けてきた。今月1日に金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が五輪に代表団を派遣する用意があると発言したことで、交渉が一気に進展した。

 五輪に芸術団を派遣する北朝鮮が20日に予定していた視察団訪問を急きょ中止した問題で、北朝鮮は視察団を21日に送る意向を韓国側に伝えた。