国際オリンピック委員会(IOC)は25日、平昌で理事会と総会を開き、ロシアの組織的なドーピング問題を理由に同国オリンピック委員会(ROC)に科した資格停止処分を継続することを決めた。

 同日夜の平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)閉会式では大会中と同様に国旗や国歌の使用を禁じ、五輪旗の下で行進する。理事会の提案を総会で諮り、満場一致で承認した。

 IOCは昨年12月、ロシア選手団の平昌五輪からの除外を決めた一方、潔白を証明した選手に「ロシアからの五輪選手(OAR)」として個人資格を認め、168選手が参加。ROCはドーピング問題の調査に要した費用や独立検査機関の設立金の負担など処分解除の条件を満たしたが、期間中に2人のOAR選手のドーピング違反が確定したことをIOCは問題視して解除を見送った。

 ただし、2件の違反の要因は「個人的な過失で、組織的な不正ではない」とも結論づけた。OAR選手への検査で追加の違反が見つからなければ、理事会などを経ずに即時処分を解除するとした。IOCのバッハ会長は総会後の記者会見で「不安定な状況は全くない」と述べ、2020年東京五輪への影響は否定した。

 ロシア側はIOCが結論を見送った24日の理事会で2選手の違反は個人的な過失だと主張し、フィギュアスケート女子銀メダルのエフゲニア・メドベージェワ選手がROCの処分解除を訴えた。