9日開幕の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)に向けて、アイスホッケー日本代表が5日、試合会場となる関東ホッケーセンターで初練習を行った。10日のスウェーデンとの初戦に向け、戦術やシュート確認など約1時間調整した。

 GK藤本那菜(28=ボルテックス札幌)は「会場が青いのでパックが見えにくい」と発見。FW大沢ちほ(25=道路建設ペリグリン)は「五輪独特の明るさ。試合をしたら気持いいだろうな」と、それぞれリンクの感触を確かめた。

 韓国入りした前日4日のミーティングでは、いきなり山中武司監督(47)から、カミナリが落ちた。選手村で他国の選手と交流したり、写真を撮るなどで、チームはどこかお祭りムード。そんな選手らに山中監督は「勝ちにきたんだ。旅行じゃない」と一喝。一気にメンバーの目はぎらついたという。

 背景には、山中監督の過去の失敗があった。98年長野五輪に男子チーム代表として出場した山中氏は、選手村でNHLのスーパースター、グレツキーに遭遇。思わず写真を撮ってもらうなど、浮かれ気分のまま試合に臨み、14チーム中13位と思うような成績を残せなかった。「自分自身がいい初戦の入り方をしなかった。僕みたいになってほしくない」。だからこそ、あえて初日から厳しい言葉をかけた。

 「スマイルジャパン」こと女子日本代表は、初出場の14年ソチ五輪では1勝もできずに予選敗退。ほとんどの選手が2大会連続となる今回は、リベンジの場となる。藤本那は「前回とは違う。準備期間が4年あった」。大沢主将は、初勝利だけではなく「メダルを取る。自信あります」と言い切った。

 日本は10日にスウェーデン、12日にスイス、14日は韓国と北朝鮮の南北合同チーム「コリア」と対戦し、4チーム中上位2チームとなれば、決勝トーナメントに進める。