高梨とのダブル表彰台が期待された伊藤有希(23=土屋ホーム)は、1回目94・0メートル、2回目93・0メートルと本来の実力を発揮できず9位に終わった。

 「この4年間たくさんの人に支えられてきたので、喜ぶ顔がみたくてジャンプしたけど出来なくて残念…」と声を震わせた。

 4年前のソチ五輪では高梨が4位で、伊藤は7位入賞。2人で肩を抱き合いながら涙し4年越しの雪辱を五輪の舞台で誓っていた。高梨のメダル確定の瞬間は「おめでとう」と声をかけ、惜しみない称賛の声を送った。

 「沙羅ちゃんがメダル取れたし日本チームで戦った試合だった。4年前、沙羅ちゃんも(メダル取れず)すごく苦しい思いをして、すごしてきた」と仲間の銅メダルを喜んだ。

 しかし、自らはメダルに手が届かなかった。4年前より2つ順位を下げての9位に歯がゆい思いは募る。「メダルを取れなかったと思うと4年前より悔しい」。ほほからポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちた。