ピョンチャン五輪ジャンプ女子ノーマルヒルで、日本人初の銅メダルを獲得した高梨沙羅(21=クラレ)が、メダル獲得から一夜明けた13日、平昌で会見を開いた。

 主な一問一答は、以下の通り。

 -メダル獲得から一夜明けた思い

 高梨 目標としていた金メダルには届かなかったんですけれども、今はホッとした気持ちと悔しい気持ちが自分の中で半々です。ソチ五輪を終えてからのこの4年間は、ずっと悔しい思いをバネに、ここまで練習に励んできているので、それが最後の本番で2本とも、自分の納得いく内容のジャンプが飛べたので、最後は自分を信じて飛べたと思いました。何より、楽しんで飛べたのがこの試合での収穫でした。

 -友達や周囲からの反響は?

 高梨 今まで見たことがない件数の、お祝いメッセージをいただいていて、今、返すので精いっぱいの段階。1つ1つの言葉が、今は自分にとってのご褒美なのかなと思うので、1通、1通、開けるのがとても楽しみです。

 -生まれ育った、競技を始めたふるさとへの思い。(9位の)伊藤有希や代表選手に選ばれなかった仲間への思いは

 高梨 私は北海道上川町出身なんですけれども、雪深いところで育って、スキージャンプやスキーのウインタースポーツが身近な環境で育ってはいるので、学校帰りは、いつも雪山に行くというのが当たり前のコース。町に帰ると、いつも特別感のない温かさというか…いつも温かくおじいちゃん、おばあちゃんが迎えてくれるという印象がある。帰った時は、地元に帰ったんだなぁというリラックスした気持ちで過ごさせてもらっています。また、試合で良い成績を残すと、花火を打ち上げてくれる温かい応援団もいるので、そういう人たちに早くメダルを見せてあげたいなという気持ちで、今はいっぱいです。本当に会場でもチームのメンバーが応援してくださっていたので、それが力になって最終的にメダルが取れたと思うので。そういう人たちの力というものが(あって)自分の持っている以上のものを発揮出来るんだなぁと。本当に今は感謝の気持ちでいっぱいです。

 -楽しいと言ったが、ジャンプを始めた頃の気持ちになった?

 高梨 始めた頃は、ただ、ただ楽しいという気持ちで競技をしていたので、それが久々に、この五輪でそういう気持ちで戦わせてもらえたので。結果としては、悔しい結果に終わってしまったんですけど、自分の中では、すがすがしい気持ちでいっぱいです。

 -メダルを取った後、どのように過ごした? 眠ることは出来た?

 高梨 私は、その後にドーピングコントロールに行って、帰ってきたのが(午前)3時ごろだったので、いろいろ回って、ここにいます(笑い)

 -メダリストになって一夜明けて競技者としての今後の目標、考え方に変化はあったか?

 高梨 銅メダルという結果に終わってしまって、やはり目標は金メダルを取ることだったので、自分はまだ金メダルを取る器ではないんだなということを痛感させられましたし。これで終わるわけではないので、また次の北京五輪に向けて、今度こそ金メダルを取って、今まで応援してくださった方に、結果で感謝の気持ちを伝えられるように、そこを目指して頑張っていきたい。

 -1位と2位との順位を分けた差は何だった?

 高梨 1位のマーレン・ルンビ選手(ノルウェー)、2位のカタリナ・アルトハウス選手(ドイツ)は、W杯でもずっとお二方が強かったんですけど、そこの順位を分けたのは、やはりずっとマーレンさんが調子が上向きで、それが落ちなかったところかなと思います。お二方ともジャンプのタイプは違うんですけども、最終的には調子の波がなかったマーレンさんに軍配が上がったのかなと思います。

 高梨は22年北京五輪で、金メダルへのチャレンジに再挑戦する考えを明言した。【村上幸将】