2大会連続の銀メダルを獲得した平野歩夢(19=木下グループ)のメダル物語は2年後の舞台へと続く。20年東京オリンピック(五輪)で新種目に採用されたスケートボードで出場を目指す環境を整えていることが14日、分かった。

 昨年4月、日大・スポーツ科学部がある東京・世田谷区の三軒茶屋キャンパス。その地下からつながる吹き抜けに、高さ約5メートルのスケートボードのバーチカルランプ(ハーフパイプのような傾斜が急な壁)が完成した。それは平野が入学に合わせ、大学側へリクエストしたもの。同年3月に左膝を痛めた平野は「けがのリハビリもあって、あまり使えなかった」と話したが、今季のスノーボードのシーズンが終われば、積極的に活用するつもりだ。大学では技の動き、コツなどの言語化、研究をしている。授業が終わったら、すぐそこに練習場がある最高の環境だ。小山裕三学部長は「都内に常設の練習場はない。ならば造りましょうと。当初は敷地内の建物外部に造ろうと思ったが、騒音を考慮し、学内にした」と話した。

 3兄弟同時五輪出場の可能性も出てきた。スケートボードに軸足を置いている兄英樹(えいじゅ=22)は「もちろん東京五輪は出たい。出るなら金メダルを取りたいです」と意気込む。スノーボードとスケートボードを両立する弟海祝(かいしゅう=15)も「個人競技なので3兄弟で出たいとかは話さないですけど、五輪に出られたらいい」と話していた。

 世界では史上6人目、日本人初となる夏季、冬季両五輪でのメダル獲得の夢が膨らむ。