男子中距離界に光が差し込んだ。男子1500メートルでオリンピック(五輪)初出場の小田卓朗(25=開発計画研究所)が1分45秒44で5位入賞を果たした。日本人のこの種目の入賞は98年長野五輪で7位だった野明弘幸以来20年ぶり。88年カルガリー五輪5位の青柳徹に並ぶ日本最高タイの成績となった。ウイリアムソン師円(22=日本電産サンキョー)は1分46秒21で10位、中村奨太(24=ロジネットジャパン)は1分47秒38で24位だった。

 低い姿勢から勢いよく飛び出した。小田は同走のナウシュ(オランダ)とほぼ同じタイムで最初の300メートルを通過。今季急速に上達したカーブでうまく加速しながら最後まで粘った。しかし、メダルには届かなかった。

 「悔しい。この種目でメダルを持って帰りたかった。もう少しだった」。涙がこみ上げた。

 25歳での五輪初出場。遅咲きの小田が一気に階段を駆け上がったと感じているレースは16年12月のW杯アスタナ大会男子1000メートルだ。五輪で金2つのシャニー・デービス(米国)と初めて同じ組で滑って先着し、自身初の表彰台に上がった。「自分でも無理じゃない」と思った瞬間だった。

 趣味は肝試し。「ビビリ屋」(小田)であるメンタルを強くするために取り入れたという意外な発想の持ち主でもある。「この悔しさを次にぶつける」。1000メートルの滑りに期待したい。