陸上のダイヤモンドリーグ第9戦のエルキューリスが15日、モナコで行われる。6月後半から7月初旬は、五輪選考を兼ねた各国選手権が開催されていたため、ダイヤモンドリーグとしては約1カ月ぶり。

 ウサイン・ボルト(29=ジャマイカ)こそ出場しないが、男子1500メートルのアスベル・キプロプ(27=ケニア)や女子短距離のダフネ・シュキッパーズ(24=オランダ)ら、リオ五輪金メダル候補が多数エントリーしている。日本からは男子200メートルに飯塚翔太(25=ミズノ)が出場する。

 モナコ大会といえばキプロプの名前が真っ先に挙げられる。

 08年北京五輪金メダリストで、世界陸上は昨年の北京大会まで3連勝中と勝負強さも持つが、モナコではハイレベルのタイムを出し続けてきた。昨年は世界記録に0・69秒と肉薄する3分26秒69(世界歴代3位)で走るなど、表のように自己4番目までのタイムはすべてモナコで出している。

3分26秒69 モナコ 2015年7月17日

3分27秒72 モナコ 2013年7月19日

3分28秒45 モナコ 2014年7月18日

3分28秒88 モナコ 2012年7月20日

 5000メートル&1万メートルで五輪連続2冠を目指すモハメッド・ファラー(33=イギリス)も、今大会は1500メートルにエントリー。モナコでは13年、昨年とファラーも3分28秒台で走っている。スピード確認が目的の出場と思われるが、キプロプにすれば負けられない。

 後半が独走になると記録は難しくなる。ペースメーカーが1000メートル前後までは先導するが、その後もライバルたちがキプロプと競り合えるようだと、世界記録誕生の確率が上昇する。

 リオ五輪で女子短距離2冠を目指すシュキッパーズが、モナコでは100メートルに出場。200メートルは昨年の世界陸上金メダル、今季世界最高の21秒93も6月のダイヤモンドリーグ・オスロ大会でマークした。世界陸上銀メダルの100メートルにリオ五輪で勝つことができれば、2冠の可能性は大きくなる。

 1週間前のヨーロッパ選手権100メートルは10秒90で、2位に0・30秒の大差をつけたシュキッパーズ。今大会では全米選手権2位のティアナ・バルトレッタ(30=アメリカ)、ジャマイカ選手権4位のヴェロニカ・キャンベル=ブラウン(34=ジャマイカ)ら黒人スプリンターとの対決になる。リオ五輪を占うレースになりそうだ。

 飯塚は日本選手権に20秒11の日本歴代2位で快勝。そのタイムをリオ五輪本番で出すことができれば決勝進出も可能になる。遠征前に自社ホームページへ「海外選手独特の中盤から後半の伸びや、国内では味わえない雰囲気を感じる事で次のステップが見えてくる」と意気込みを記した。

 ロンドン五輪5位のチュラディ・マルチナ(32=オランダ)らにどこまで食い下がれるか。日本短距離界にとっても重要な一戦となる。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各種目は年間7大会で実施され、各大会のポイント(1位10点~6位1点)合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。