陸上男子短距離のリオデジャネイロ五輪代表が25日、山梨県富士吉田市で報道陣に練習を公開し、100メートルで10秒01の記録を持つ桐生祥秀(東洋大)や日本選手権覇者のケンブリッジ飛鳥(ドーム)らが400メートルリレーのバトンパスを重点的にこなした。桐生は「いい感じでバトンが流れた。メダルが取れればいい」と意欲的だった。

 第4走者が想定されるケンブリッジは桐生からバトンを受け「今までバトンをもらった選手の中で一番速い。違う感覚」とスピード感に慣れるよう、努めた。

 日本は次走者の手のひらに下から押し込むようにバトンを渡すアンダーハンドパスを以前から採用し、走者が互いにより腕を伸ばして距離を稼ぐ改良型に取り組んでいる。バトンを受け渡す20メートルのゾーンに前後10メートルを加えた40メートルの区間を、それぞれ3秒75でバトンを通過させることを目指す。この日の練習では土江寛裕短距離副部長は「簡単にぽんぽんと出ていた。選手も熟練してきている」と手応えを口にした。

 第1走者が見込まれる山県亮太(セイコーホールディングス)は「(バトンは)タイムを縮める上で重要なポイント」と強調し、第2走者が有力な飯塚翔太(ミズノ)は「どれだけ走れるか楽しみ。イメージはできている」と笑みを浮かべた。