陸上男子50キロ競歩で、荒井広宙(ひろおき、28=自衛隊)が3時間41分24秒の3着でゴールした後に妨害行為があったとして失格になった問題で、日本陸連が国際陸連に抗議した結果、異議が認められて銅メダルを獲得した。

 ハラハラドキドキの銅メダルに荒井も安堵の様子だった。「お騒がせしてすいません。(相手に)当たらなければ良かったんですが…。(メダル確定の瞬間)うれしかったです」。銅メダルから失格の“悪夢”を乗り越えた日本競歩界初のメダルに喜びをかみ締めていた。

 陸上で今大会メダル1号、7位入賞が最高だった競歩で初のメダル獲得と思われたが、競技終了後、3着争いを繰り広げたダンフィー(カナダ)側が荒井が妨害したとして抗議。1時間以上協議が続き、荒井は失格となった。だが、失格の判断に対して日本側が再抗議。改めて国際陸連の理事5人が判断することになっていた。

 荒井はレース終盤の残り1・2キロ付近で、並歩していたカナダのダンフィーと上半身が接触。ダンフィはバランスを崩して後退し、荒井は3番手をキープしてゴールした。競歩の世界大会では、ゴール後に歩型違反3回の失格処分が判明するケースがたびたびある。だが、競技者同士の接触での失格はレアケースだった。