陸上男子マラソンは、日本人トップの佐々木悟(30)が2時間13分57秒で16位止まり。石川末広(36)は36位、北島寿典(31)は94位だった。陸上全競技を終えてメダル2、入賞2。目標としたメダル数1は上回ったが、入賞5には届かなかった。麻場一徳強化委員長(55)は今大会限りで辞任する考えを表明。マラソンを統括する酒井勝充強化副委員長(56)と宗猛男子マラソン部長(63)は退任濃厚。東京五輪へ出直しを余儀なくされた。

 日本勢は佐々木の16位が最高。世界との差は広がるばかりで、光明は見いだせない。この結果を受けて、マラソンを統括する酒井強化副委員長と宗男子マラソン部長がリオ五輪限りで、退任することが確実だ。

 酒井副委員長は「人事は私が決めることではないですが、リオまでという気持ちです」とした。宗部長も続投の意欲について、激しく首を左右に振って否定した。男子の結果を鑑みても2人が東京五輪まで続投する可能性は極めて低い。

 勝負にならなかった。日本人トップの佐々木は27キロ過ぎのペースアップに対応できず「悔しいです」。94位の北島は「代表とは違うところで目標を作りたい。五輪よりも世界の高速レースで日本記録を狙いたい」。人気種目だった面影はない。14日、3人の出発取材で成田空港を訪れたのは記者1人。競歩荒井の銅、男子400メートルリレーの銀に比べて衰退ぶりは明らかだ。

 陸上競技の全日程を終えて「メダル2、入賞2」。麻場強化委員長は「もうちょっと入賞がほしかった(目標は5)。リオまで、という前提でやってきました。その気持ちは変わっていません」と口にした。同委員長は15年9月に就任。昨夏の世界選手権後の原田前強化委員長辞任に伴って、副委員長から繰り上がっていた。6月には日本陸連に対し、大会後に辞任する意向をすでに伝えている。今大会を終え、その気持ちは変わらなかった。

 東京五輪まであと4年。男子マラソンを立て直すのは容易ではない。また陸上競技全体でも、強化体制にブレもある。少なくとも、4年間で強化のトップが交代することがない体制を整えることが、東京五輪で戦うための必須条件になる。【益田一弘】