無敵のエースが、決戦直前の大ピンチを切り抜けた!

 リオデジャネイロ五輪体操男子で金メダル候補の内村航平(27=コナミスポーツ)が7月31日(日本時間1日)、爆発的な人気を集めているスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(ゴー)」を現地でダウンロードし、通信料が50万円になっていたエピソードを披露した。携帯会社に事情を説明し、1日約3000円の定額料金が適用される「強運」ぶりで、6日の男子団体予選に弾みをつけた。

 しびれる場面で完璧な演技を披露してきた内村が、大一番を前に青ざめた。事前合宿地のサンパウロで“事件”は起きた。携帯電話の通信料を確認すると、目を疑う数字が飛び込んできた。「50万円」。何度も見直したが、間違いない。動揺しつつ自らの行動を振り返ると、思い当たる原因が…1つあった。

 7月21日のサンパウロ入り後に、世界約40カ国で社会現象を起こしている人気ゲーム「ポケモンGO」のアプリをダウンロード。現地は未対応だが、知らずに使い続けていた。データ通信の設定が定額制プランから外れていたのも気づかず、画面上に出現するはずもないポケモンを待ち続けた結果、高額請求に至ってしまったようだ。

 団体で04年アテネ五輪以来の金メダル獲得に燃えるチームの大黒柱のピンチに、白井健三(日体大)は「表情が死んでいました」と証言。チームメートからも心配されるほどの落胆ぶりで、報告した日本の妻にもあきれられたという。

 それでも、無類の強さを誇る男は強運だった。同26日のリオ入り後に、携帯会社に電話をして事情を説明。同様のケースにならい、1日約3000円の定額料金に収める救済措置を取ってもらった。悩みが消えた内村は、練習で跳馬の大技「リ・シャオペン」を2回成功させるなどエンジン全開。「しっかり合わせられているし、2回(連続で)跳べたのは大きい」と好調ぶりをアピールしていた。

 「早くブラジルでも遊べるようになってほしい」と笑みを浮かべた内村。ポケモンはゲットできなくとも、金メダルはつかんでみせる。

 ◆ポケモンGO

 「ポケットモンスター」シリーズのスマートフォン向けゲームとして任天堂と関連会社のポケモン(東京)、米ゲーム会社ナイアンティックが共同開発。衛星利用測位システム(GPS)を利用して外を歩き、ポケモンが現れるとスマートフォンが振動。モンスターボールをぶつけると捕獲できる。基本プレーは無料だが、ゲームを有利に進めるためのアイテムは有料。米国とオーストラリアなどでは7月6日に配信開始。米国での利用者は1日2000万人超、スマホアプリのダウンロードランキングで首位。