2大会ぶりのメダル獲得を目指すシンクロナイズドスイミングのリオデジャネイロ五輪日本代表はリオデジャネイロ入りした30日に早速、試合会場で練習を行った。みっちりと約4時間半泳ぎ込む間、井村雅代監督の怒号が屋外プールに響き渡った。

 約27時間かけて日本から到着し、その数時間後にチームはプールにいた。さすがに長距離移動の疲れからか動きは重い。そんな選手たちを井村監督は「あの寝ぼけた演技を見たら腹が立つだけ」と厳しく叱咤(しった)した。青空の下で始まった練習が終わった頃にはすっかり夜になっていた。

 いきなりの猛練習は時差ぼけ対策の一環だ。また井村監督は自分が指揮していなかった前回五輪では欠席した開会式に「メンタル的に『頑張ろう』とか『すごい大会で自分が泳げる』とか思える」と参加の意向を示した。本番を最高の状態で迎えさせるため、選手の心身のケアに余念がない。

 「いい感じできているが、後はあの子たちの気持ち。ちょっと緩めたら本当に緩む子たちやから」。65歳のメダル請負人は手綱を引き締めてチームを仕上げていく。