12年ロンドン五輪個人銀メダリストの古川高晴(36=近大職)が、準決勝に進んだ。準々決勝で李佳倫(28=中国)を6-0で下した。自身3つ目のメダル獲得まであと1勝に迫った。

鬼門の準々決勝を制した。前回のリオは米国選手に敗れて8位で終え「風を読み間違えた。冷静な判断ができていなかった」と悔しさを浮かべた。

五輪の借りは五輪で返そうと、この5年競技に打ち込んできた。年齢は重ねても体力は衰えず「その分、技術が上がった」と手応えを感じ、26日の男子団体メンバーとして銅メダル獲得に貢献。この種目で初のメダル獲得に飽き足らず「結果を出し続け、もっとアーチェリーの魅力を広めたい」と訴えていた。初日の予選ラウンドでは振るわず個人46位でスタートしたが、1対1のトーナメント戦では上位選手を次々と破って準決勝に進んだ。ベテランなではの豊かな経験で、巻き返した。

今大会2つ目のメダルを獲得すれば、「中年の星」と呼ばれた山本博(58=日体大教)を抜き、日本アーチェリー界で最多のメダル獲得になる。

<アーチェリーの日本勢の五輪メダル獲得>

◆モントリオール(76年) 男子個人銀 道永宏

◆ロサンゼルス(84年) 男子個人銅 山本博

◆アテネ(04年) 男子個人銀 山本博

◆ロンドン(12年) 女子団体銅 早川漣、蟹江美貴、川中香織里

男子個人銀 古川高晴

◆東京(21年) 男子団体銅 古川高晴、武藤弘樹、河田悠希

 

古川高晴(ふるかわ・たかはる)

◆生まれ 1984年(昭59)8月9日、青森市

★高校 青森東高時代、入部を希望していた弓道部がないためアーチェリーを始めた。高3の02年にジュニア選手権に出場し、高知国体で個人優勝

★大学 近大では1年時から全日本学生王座決定戦で団体公式戦130連勝の立役者に。03年世界選手権(ニューヨーク)で国際大会デビュー。04年アテネ五輪は個人戦2回戦進出、団体戦8位。07年世界選手権個人戦で16強入りするも、翌08年北京五輪は個人戦初戦敗退。12年ロンドン個人で銀メダル獲得するも、16年リオデジャネイロは個人男子8位。

★所属 近大職員