東京オリンピック(五輪)の男女20キロ競歩代表の最終選考会を兼ねる全日本競歩能美大会の前日会見が14日、石川県小松市で行われた。

新型コロナウイルスの感染拡大により、予定通りの東京五輪開催に暗雲がたれ込める中、昨年の世界選手権男子50キロで優勝し、同種目の五輪代表に決まっている鈴木雄介(32=富士通)は「選手がコントロールできるところではない。東京五輪は予定通りにあるという気持ちで臨んでいる」と話した。

同時開催予定だったアジア選手権は中止され、中高生の種目も取りやめとなった。五輪へ向けて調整中の鈴木は当初、来月の輪島大会に出場するつもりでいたが、予定していた10キロの部が感染拡大の影響でなくなり、今大会への参加を急きょ決めた。「こうした状況でも開催していただいけることに感謝したい。準備不足は否めないが、自分のペースでしっかり歩く」と気持ちを引き締めた。

ウイルス対策には、普段から細心の注意を払っているという。人混みや電車移動は極力避け、手洗いやうがいは常に意識。「どのアスリートも小まめに消毒をして過ごしている。自分たちができることを1つ1つしっかりやっている」と話した。【奥岡幹浩】

◆20キロ競歩の東京五輪代表選考 代表枠は最大3。男女とも20キロ競歩は昨年1月以降に派遣設定記録(男子1時間20分0秒、女子1時間30分0秒)を切った上、今大会で優勝すれば内定。2月の日本選手権と今大会が選考会で、3位以内の選手も選ばれる可能性がある。男子は世界選手権金メダルの山西、女子は日本選手権を制した岡田がすでに内定済み。