東京オリンピック(五輪)陸上男子400メートルで金メダル候補に挙がるマイケル・ノーマン(22=米国)にとって、日本は母の故郷だ。「もちろん2つの国の代表にはなれないが、少しだけでも日本を代表したい」。言葉は分からなくても自らのルーツを意識し、陸上大国で鍛えている。

浜松市出身の母伸江さん(旧姓斉藤)は、100メートルで11秒96の元中学記録保持者だ。米国生まれのノーマンも11歳でバスケットボールから個人種目の陸上へ。「自分のやり方にこだわるタイプ」という気質が、スプリンターとしての卓越した才能を開花させた。2016年にU-20世界選手権の200メートルを制し、19年には21歳にして400メートルを世界歴代4位の43秒45で走った。

初来日は昨年5月。大阪の大会で200メートルに出場し、向かい風の中で19秒84というあいさつ代わりの快走を披露した。日本の食事や文化にも触れ「この国が大好きになった。この経験を生かしたい」と五輪の“予習”をしっかりこなした。

だが、夏場以降は原因不明の不調に陥り、昨秋の世界選手権では400メートル準決勝敗退。「今までで最悪のシーズンの1つ」と失意を味わった。五輪で本領を発揮すべく猛練習を積んでおり、「体が鉛のように重くて速く走れない夢をよく見る」と笑う。

狙うは400メートルと1600メートルリレーの2冠。「楽しい大会になると思う。僕も家族もわくわくしている」と胸を躍らせている。