東京オリンピック(五輪)を見据えるマラソンのモンゴル代表が、母国へ戻れない事態に陥っている。選手、コーチ計8人は、2月9日から大阪・泉佐野市で合宿を実施。3月17日に帰国予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で日本-モンゴル間の国際定期便の運航が停止された。帰国の見通しは立たず、滞在2カ月が経過。その間に1年延期が決まった五輪へ、市の支援を受けながら汗を流している。

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静岡県焼津市でも、モンゴル選手の滞在が続いている。同市では2月14日から、パラリンピック陸上の4選手とスタッフ2人が強化合宿を実施。3月11日に打ち上げ、東京パラリンピックの予選大会(ドバイ)に移動予定だった。予選は中止となり、国際定期便の運航停止で母国に帰ることができていない。

同市では職員が5月末までの延泊を手配。費用は市が負担するといい、担当者は「生活が不自由な分、ストレスがたまってしまうと思う。ただ、この状況はどうしようもないので、前向きに捉えていきたい」と支援を続けている。

市民からは選手へ差し入れがあるなど、距離が縮まっている様子もあるという。ホストタウン登録は16年1月。モンゴル人通訳も手配しており、交流は深い。