男子マラソン日本記録保持者で東京五輪(オリンピック)代表の大迫傑(29=ナイキ)が16日、オンラインでの合同取材に応じ、前日に自身のツイッターで表明した大学生を対象としたチーム設立の意図について、「コロナの影響で五輪が延期されたいま、トップアスリートがどういう練習をし、どういう姿勢で競技に取り組んでいくかを知ってもらいたいと思った」と明かした。

大迫は15日に、タイムなどの基準を満たした大学生最大10人と、8月に1週間の短期合宿を行う旨をツイート。この日の会見では、「直接指導することももちろんあるが、それ以上に大切なのは、姿勢というか背中を見せること」と説明。「『大迫選手はこれだけ練習をしているんだ』とか、『自分ならこんなふうにもっとできる』と考える基準にしてもらいたい」と述べた。

引退後ではなく、現役アスリートである今こそ伝えられるものは大きいと考えている。「だからこそ、東京五輪前の大事な時期ではあるが、こういうことを計画した。自分の集大成の1つとして東京五輪があると思っている。そこに向けての激しいトレーニングを見せたい」と熱く語った。

チーム名は「Sugar Elite」。その由来については、ファーストネームである傑(すぐる)の発音が外国人には難しく、「シュガー」という愛称で自身が呼ばれること。そしてシュガーという英単語は悔しさを表現するときに使われるフレーズでもあると知ったことで、「まさに自分自身の競技人生にぴったりだと思った」と説明した。【奥岡幹浩】