広中瑠璃佳(20=日本郵政グループ)が16年ぶりに日本記録を更新した女子5000メートル決勝で、NHKの中継で解説を務めた84年ロサンゼルス五輪代表の増田明美さん(57)が、持ち前の情報収集の高さを存分に披露した。

レース序盤から早速「今日は(広中の出身地である)長崎のカステラを食べてきたそうです。お昼はカレー、カステラだったそうです」と小ネタを提供。続いて広中が1000メートルを3分ほぼジャストで走ると、待ってましたと言わんばかりに広中の高い計算能力を示すエピソードも。「広中さんはそろばんも2段なんですね。体の中で計算できているんだと思う。(広中の)お母さんは、昔からスーパーで買い物するとレジまでに全て計算してくれるから楽だったと言っていました」と話した。

広中は9位でゴールし、14分52秒84を記録。福士加代子が05年に記録した14分53秒22を上回った。レースを終えてグラウンドに一礼する広中に、増田さんは「また礼儀正しい。広中さん、グラウンドに一礼して…。これが終わるまでが、広中さんの5000メートルです」とかみしめるように話した。

間髪入れずに広中の好記録の要因について、私見を語った。「選手村のレストランが素晴らしいんだと、お好み焼きや焼き餅があって、食べる時間よりも悩む時間の方が長いんだとお母さんにラインがあったそうです。広中さんの東京オリンピックは笑顔、楽しんだことが良かったんじゃないですかね」とうれしそうに話した。

快走した広中と同様、増田さんの口も滑らかだった。