◇00年シドニー大会陸上女子マラソン(9月24日)

(1)高橋 尚子(積水化学)2時間23分14秒

(2)シモン(ルーマニア)2時間23分22秒

(3)チェプチュンバ(ケニア)2時間24分45秒

優勝が期待された高橋は積極的なレースを展開。18キロ地点で早くもスパートをし、先頭集団から抜け出した。27キロ過ぎからシモンとのマッチレースとなるが、サングラスをとった35キロ地点で再スパート。ゴール前で追い上げられたが、最後まで逃げ切った。日本陸上界64年ぶり、女子では初の金メダルだった。

スパートの裏には、小出監督とたてた綿密な作戦があった。スピードのあるシモンにつかれたら、トラック勝負では勝てない。できるだけ離して終盤に持ち込むこと。それが、18キロという早いスパート、さらに35キロの「ロングラストスパート」につながった。ギリギリの戦いを制した高橋はゴール後「すごく楽しい42キロでした」と笑った。