松本麻佑(25=北都銀行)が小学時代に所属した「札幌遊羽ジュニア」で指導した松野英彦さん(73)

松本とバドミントンとの出合いから見てきた松野さんは現在、札幌地区バドミントン協会事務局長を務めている。「もちろん完全燃焼してほしいなとは思いますけど、持っている力を全力で発揮してほしい。私が生きている間に東京でやっていただけることがありがたい。楽しみです」と期待を膨らませた。

札幌遊羽ジュニアに入団したのは幼稚園の年中組の頃。松野さんの目に映ったのは、兄の後ろをついてきて体育館でラケットを手に打ち込む姿。「人見知りの子が多かったりするけど、あの子は全然それがなかった。だからそういう意味では物おじしない、明るい子でした。人懐っこい感じ」と振り返る。

小学1年から本格的に競技を始め、週3回集中して練習を行った。ラケットを使っての素振り、ランニング、フットワークやステップなど、松野さんが課したメニューを淡々とこなし、めきめき成長。羽を打つまで時間をかけて基礎練習やトレーニングを積む大切さの教えが、今の松本の強さを支えている。メダル獲得でうれしい報告を、松野さんは静かに願っている。【山崎純一】