バドミントン女子シングルスで奥原希望(26=太陽ホールディングス)、山口茜(24=再春館製薬所)はともに準々決勝で敗退。日本勢の東京五輪が終わった。

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リオデジャネイロ五輪銅メダル、世界ランキング3位の奥原は同9位の何氷嬌(中国)に逆転負けし、敗退した。第1ゲームを先取。しかしサウスポーの相手の角度のあるクロスに手を焼き、今大会初めてゲームを落とす。最終ゲームでは、序盤優位に進めながらも、力尽きた。

試合後、天井を見つめて立ち尽くしたあと、「自分が5年間やってきたことの答え合わせが終わった」。涙を浮かべ、銅メダルを獲得したリオ五輪後の長い道のりを思い出すかのように言葉を吐き出した。ずっと、東京五輪での金メダルを目指してきた。解答=金メダル。「それが永遠に解けなかったというのはすごく悔しいし、もどかしい部分もある。その答えを解くためにやるべきことはやってきて、私がたどり着く場所がここだった。それがすべてかなと思う」と話した。

19年にプロに転向した。専門家の意見を取り入れ、食生活から改善。最先端機器を活用し、練習時や試合中から就寝時まで、常に心拍数などを測定し、体の状態を客観的に把握することに努めた。24時間、その全てをバドミントンに、東京での金メダルに捧げてきた。やれることはやりきったという自負はあるが、結果は残酷だった。最後には、「やっぱり五輪は楽しむことが難しい舞台だったけれど、この舞台に立てて幸せ。たくさんの方に感謝しながら、次に向けての1歩を進めたい」と前を向いた。